・ホーム>技術情報>[新しい消音技術の解説]>ガスタービンサイレンサ◎安全性という課題

新しい消音技術解説

ガスタービンの羽根を傷つけてはいけない。
次の課題は安全性だった。

 ガスタービンの羽根は、耐熱合金でできています。最新型のガスタービン発電システムでは、1500℃という高温の燃焼ガスにさらされて運転しています。
 高速で回転している多数の羽根を傷つけてはいけない。それが、サイレンサづくりにおいても最重要課題でした。たとえばリベットを大量に使って部材を固定する構造では、何かの弾みでそれらがはずれ、飛んでいった異物がタービンの羽根に当たり破損させてしまう危険性があります。なるべくリベットを使わずに、風速数十メートル毎秒という過酷な条件下で、構造的に耐えられる設計。こんな厳しい制約の中でのサイレンサづくりこそ、アルパテックが得意とするところです。

リベットゼロ設計へ。
ヒントになったのは建具のモジュール。

アルミサッシとはめ殺し リベットを使わない。ねじも釘も使わずに建物を建てる日本の伝統的な木造建築や、現代のアルミ建具などに使われているモジュールが好例でしょう。これを参考に、リベット最少化という課題解決に取り組みました。
 サイレンサ本体であるスプリッタは、グラスウールの両側をパンチングプレートで保護する構造で、従来はプレートを鋼製の枠にリベットで固定していましたが、その替わりにアルミ押出材による枠を使うことにしたのです。いわゆる「はめ殺し」です。

50mm厚スプリッタの構造

 こうして何百本ものリベットを使い手作業で固定するのに比べ、高精度かつスムーズに組み立てることができ、施工コストは割安になります。また、モジュール化した共通部材は応用範囲が広く在庫も可能ですから、部材の製造コストが削減できます。

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