・ホーム>技術情報>[新しい消音技術の解説]>小型過給機サイレンサ◎ポリエステル繊維と熱融着

小型過給機サイレンサ

グラスウールとの代替可能なリサイクル素材、
ポリエステル繊維に出会う。

 近年、フリースという素材が一世を風靡しました。暖かく、しかも安価なことで話題になりましたが、もうひとつ画期的なことがありました。それは、ペットボトルを原料とする再生ポリエステル繊維だったことです。この繊維は、衣服のみならず、断熱材や畳の芯材などいろいろなところで利用されています。
 私たちは、そこに目をつけました。グラスウールを、この繊維で置き換えることができると考えたのです。そのままではグラスウールよりも吸音率が低いため、吸音率を高めるのに必要な厚みと密度を計算し、また、繊維がほどけやすいため、それを防ぐ方法も見つけました。

リサイクル素材

 その方法とは「熱融着」です。ポリエステル繊維は加熱すると融ける性質があります。そこで融点の異なる2種類のポリエステル繊維を用意。これらを混ぜ合わせ、ある温度まで加熱すると、融点の低い繊維が融けて接着剤のようになり、融けずに残った繊維が高密度のフェルト状になります。グラスウールと同等の性能を持ちながら、グラスウールとは違ってリサイクル素材。しかも、それ自体が板状に固まっているため、グラスウールのようにパンチングプレートで保護する必要もありません。これによって一気に、リサイクル可能なサイレンサの実用化へと道が開けました。

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